全世界に2万種類もいると言われるダニですが、その多くは体長が1mm以下と小さく、見つけることはかなり困難です。
見えないにも関わらず、平均的な一般家庭のハウスダスト1グラム中に、ダニは1000匹も棲息しているといわれます。
わたしたちの生活にさまざまな悪影響を及ぼすダニの駆除について、効果的な方法を探っていきましょう。
目次一覧
ダニの害について
噛まれると痒みや痛みがひどくなる 感染症も危険
ダニは人体に寄生して血を吸うというイメージがあります。実際、マダニやイエダニは吸血してアレルギー性の咬症や、傷口の化膿などの被害が出ます。
なによりリケッチアなどの重篤な感染症も引き起こすため、とても危険な存在であると言えるでしょう。しかしそうした被害にあうのは、例えばアウトドアレジャーなどで野外活動を行った場合であり、日常生活ではいまのところ大きな感染被害というのはないようです。
同じ寄生でも、皮膚病の原因となるダニは身近な問題です。人体組織に寄生してアレルギー性皮膚炎を発症させるニキビダニなどがその代表例ですが、ほかにも疥癬という皮膚病を発生させるヒゼンダニがいます。
最大の問題はアレルギー
ダニによる被害を考えるうえで、最も大きな問題はアレルギーです。人体への寄生ではなく、一般住宅のホコリ、つまりハウスダストの中で有機物を食べるダニが数種類いると言われ、そのダニの糞や脱皮した殻、死骸などが皮膚炎や気管支炎などのアレルギー疾患の原因物質(アレルゲン)となることは、よく知られています。
140種類にもおよぶチリダニのうち、コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニはハウスダスト内に生息するダニの代表です。人体のフケや花粉、カビなども栄養源としており、7月から9月ごろが繁殖、発生のピークになります。
現代社会において、アレルゲンとして悪名高きダニの駆除は、快適な生活環境を確保するための絶対条件となっているのです。
効果的なダニ駆除の方法
ダニの生態を考えた対策
まず知っておくべきことは、生きているダニと死んでいるダニで対策が異なることです。死んでいるダニ、つまりダニの死骸やダニの糞はアレルゲンの元凶です。掃除機などで除去しましょう。
ここで注意しなければならないのは、ダニの死骸も糞も非常に軽いということです。つまり荒っぽく掃除機をかけて空中に巻き上げてしまっては、ほとんど除去することはできないというわけなのです。
布団、畳、カーペットなどに掃除機をかける場合は、しずかにゆっくりとかけることが重要です。生きているダニは繁殖し、糞をし、死骸となります。
ダニは掃除機で吸い取ることはもちろん、布団の天日干しや薬剤散布、あるいは洗濯機による洗浄でもほとんど死滅させることができません。これらの多くの方法で退治できるダニの数はほんのわずかであり、大半は隠れてしまいます。
ダニの繁殖力を考えると、効果はほぼゼロに近いといえるかもしれません。
ダニの駆除でもっとも大切なのは温度です
多くのダニは温度が50度を超えると3分程度で死滅し、60度を超えるとほぼ即死するともいわれます。
つまりダニが生息している場所の温度を50度以上にすることができれば、大半のダニは死滅してしまうというわけです。
スチームアイロンや高温洗浄機を用いた方法は、ダニを駆除するうえで高い効果が期待できます。ダニを死滅させてしまえば、掃除機などで除去することが出来るようになります。
ダニの温床 布団対策を考える
布団のように分厚いものについては、ダニがその内部に逃げ込まれてしまうために別の方法が必要になります。洗濯も、掃除機も、天日干しも、布団内部に逃げ込んだダニには効果があまりありません。
布団乾燥機を使った方法は、ダニの駆除に高い効果を発揮します。
最近はコインランドリーにも大型の乾燥機が設置されているケースがありますから、自宅に布団乾燥機がない場合はそういったものを利用するのも良い方法です。
また、自家用車がある場合は、夏場の車内に布団などを積み込み、10分程度放置すると車内温度はあっという間に50度以上になります。布団以外でもダニは潜んでいそうなものは、なんでもこの方法を使えます。ただし高温で変形してしまうようなものは注意しましょう。
ダニを予防対策 繁殖させないコツは?
ダニの特性から考える
ダニの好む温度は25度〜28度前後、湿度は60〜70%前後と言われます。温度が20度以下で、湿度が50%を切ると、急激に活動が弱まるようです。
もちろん死んでしまうわけではありませんが、大人しくなるという意味では影響がありますし、繁殖が抑えるのは重要なポイントです。温度については住環境をして難しいため、湿度を50%以下にするようにしましょう。
具体的な方法は?
室内では湿気取りを使用し、洗濯物の部屋干しをやめましょう。
ダニのエサになるものは、こまめな掃除で取り除き、定期的に高温を使った駆除を行い、死骸は丁寧に除去することを繰り返すことで、ある程度の効果が期待できます。
その他の害虫駆除についてはこちら → 南京虫の駆除について