トコジラミの駆除についてお話します

木材にいるトコジミラ

トコジラミは別名南京虫とも呼ばれる寄生昆虫です。人間をはじめとする哺乳類の血を吸うことで知られており、吸われると激しい痒みに襲われます。

刺咬された場所は赤く腫れあがることもあり、人によってはアレルギー症状や蕁麻疹を発症します。痒みは1カ月、腫れは2カ月経ってもひかなかったという人がいるほど、被害が強烈なトコジラミについてみていきましょう。

トコジラミの害とは

トコジラミの生態と特徴について

トコジラミはシラミではなくカメムシの仲間だそうです。

トコジラミの仲間のすべては吸血昆虫であり、哺乳類や鳥類を宿主としています。

ただし多くは鳥類やコウモリ類などに寄生しており、人間を主な吸血源とするのはこのトコジラミと呼ばれる種類だけのようです。

吸血性であることから、病原菌を媒介するイメージがありますが、今のところ主な伝染病の原因とはなっていないようです。

トコジラミの被害について

蚊やヒルなど、人間の血を吸う生物は他にもいます。

トコジラミもまた、蚊を同じように血を吸う際、宿主の体内に自分の唾液を注入します。

この唾液に含まれる物質によって、多くの人がアレルギー反応を起こしてしまい、激しい痒みに襲われてしまうのです。

トコジラミに血を吸われると、その日よりも二日目のほうがより痒くなると言われます。

また、噛まれた場所には赤い点が残ることが多く、1か月以上も痕跡が消えないなど、痒みとともに大きな被害をもたらすことが知られています。

トコジラミ駆除の特徴

トコジラミの習性 強い生命力と繁殖力

一般的にトコジラミは夜行性だと言われます。しかし実際には昼間でも暗ければ活動しますし、夜間でも明るければ活動を控えるようです。

室内が明るいときは、壁の隙間などにじっと身を潜めており、暗くなると動き出して熱と二酸化差炭素を頼りに人間の血を吸うというわけです。

トコジラミによく似た生態で知られるものにダニがいますが、トコジラミはこのダニよりもはるかに生命力が強いといえるでしょう。

孵化してから1か月ちょっとで成虫になりようですが、その間もずっと吸血によって栄養を得ています。しかも吸血できない状況でも、なんと1年半も生存できるほど、高い生命維持能力を持っているのです。

さらに繁殖力も非常に高く、閉鎖環境の近親交配が不利に働かないため、供血などの条件さえ整えば爆発的に増殖することができます。一匹の雌のトコジラミが一生のうちに生む卵の数は500個とも言われます。

トコジラミの駆除における注意点とポイント

生命力が強く、繁殖能力も高いトコジラミですから、中途半端な駆除方法では効果を得ることは難しいでしょう。

殺虫剤や防虫剤など、トコジラミに効果があると言われているものもいくつかありますが、往々にして他の害虫よりも効果が薄いように思われます。

駆除業者によっては、トコジラミに対して殺虫剤などの薬剤散布は効果が薄いと判断し、吸引と冷熱処理をメインとするところもあるほどです。

つまり殺虫剤や防虫剤の効果は限定的であり、物理的な除去をしないかぎりトコジラミの駆除は難しいというのが実情であると言えるでしょう。

トコジラミ駆除の効果的な対策とは

他の害虫にも言えることですが、卵には殺虫剤の効果があまりありません。

トコジラミは繁殖力が高く、卵も大量に生むため、幼虫や成虫をいくら駆除しても、卵が残っている限り何度でも出現してしまうというわけです。

まずは卵を見つけ出し、それを物理的に除去してしまうことが重要です。

畳の隙間やカーペットの裏など、普段はあまり人目に付かない場所に、卵が産みつけられていることが多いため、そうした場所を重点的に掃除機で吸い取ります。

吸引力が高い掃除機のほうが効果は強いと言えます。

また高温による駆除も効果があるとされていますから、スチーム洗浄などを行うのも良いでしょう。

トコジラミを予防するコツは?

トコジラミの発生原因とは

トコジラミは明治の初期に、日本に上陸したと考えられています。

しかし終戦後に猛威を振るったトコジラミも、1965年ごろより使用が始まった有機リン酸系の殺虫剤によってほぼ姿を消していました。

ところが近年、散発的にトコジラミの被害が発生するようになった理由のひとつは、海外渡航の増加があると言われています。

つまり国内外の往来が増加する中、渡航者によって持ち出され、持ち込まれたトコジラミが、日本各地で繁殖し、被害をもたらしているというわけです。

専門業者への依頼

トコジラミを完全に駆除するのが難しい理由のひとつには、発見が非常に困難である点が影響しています。

つまり、なんらかの駆除対策を行った場所では、一時的にそれなりの効果がみられるのですが、繁殖力の高いトコジラミにとっては、卵さえ残っていれば、卵を産む雌雄が少数でも残っていれば、すぐに状況を立て直せるというわけなのです。

一般人では、トコジラミの所在を完全に把握することは不可能でしょう。探知犬などを使える専門業者に依頼するのがもっとも現実的な方法かもしれません

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