たくさんいる害虫のなかでも、ゴキブリは非常に厄介な存在です。見た目や動きが不快であることはもちろん、トイレや台所を徘徊するため、衛生害虫としても注意が必要となります。
また、殺虫剤などによる駆除に対しては強い耐性をみせることがあり、環境適応の力が高いとも言われています。「核戦争後も生き残る」とまでいわれるゴキブリの駆除についてみていきましょう。
目次一覧
ゴキブリという生物の生態を熟知する
日本におけるゴキブリについて
日本の都心部に棲息しているのはクロゴキブリとチャバネゴキブリです。どちらも体形が平べったく、非常に狭い場所でも移動することができます。
本来は熱帯雨林に生息する昆虫であったと考えられ、昼間は物陰に隠れていることが多いようです。夜になると活動を開始し、雑食性であるため、人家においては人の食物ならなんでも食べるといわれています。
ゴキブリの生態と生息地域
世界には数多くの種類のゴキブリが存在しますが、家屋害虫となるゴキブリは全体の1パーセント以下と言われています。日本でみられるクロゴキブリやチャバネゴキブリは、比較的寒さに弱く、北海道などの地域ではあまりみられませんでした。
しかし近年、暖房設備が完備されている屋内にはゴキブリの進出が著しく、生息地域の拡大がみられるようです。
ゴキブリ対策の流れ
侵入経路を断つことが重要
ゴキブリが室内に侵入する経路を全て塞ぐことができれば、ゴキブリ対策としては完璧と言えます。逆に室内のゴキブリをどれだけ退治したところで、簡単に侵入を許していては、いつまで経ってもゴキブリ対策の終わりは見えないと言えるでしょう。
ゴキブリはエサを求め、湿気を好むことから、上下水道付近は侵入経路となるケースが多くなるようです。特に台所、キッチン下の排水管まわりにほんの少しでも隙間があるようであれば、ゴキブリの侵入経路となる可能性が高いと言えるかもしれません。
対策上注意すべき場所と住人の出入りについて
通風孔や換気口など、住宅にはさまざまな穴が開いています。これらを完全に塞いでしまうと、仮にゴキブリの侵入を防ぐことが出来たとしても、住環境として問題が生じてしまいます。
こうした場所には侵入対策用にフィルターなど、市販の対策グッズを使用しておくと良いでしょう。玄関や窓など、住人が出入りする場所については、これを完全に防ぐことが出来ません。
可能な限り開閉時間を短くするとともに、開閉時に周囲を一度見渡し、ゴキブリが付近にいないかを確認する習慣をつけると良いでしょう。
室内のゴキブリに対する駆除対策 殺虫剤による駆除
侵入そのものを防いでしまえば、今度は室内のゴキブリ対策となります。すでに侵入してしまったゴキブリは、営巣し繁殖する可能性があります。
これらの対策については、さまざまな方法が紹介され、市販の対策グッズも豊富に販売されています。ここでは殺虫剤のタイプ別に駆除対策の流れをみていきます。
スプレータイプと燻蒸タイプ
殺虫剤はスプレータイプのものや燻蒸タイプのものがよく知られています。しかしスプレータイプで直接ゴキブリに吹き付ける必要があるものについては、その扱いが難しく、取り逃がしてしまうことも多いようです。
殺虫成分の人体への影響についても懸念が残ると言えるでしょう。燻蒸タイプは室内の見えない部分に対しても効果を発揮すると考えられます。
しかしこれも、殺虫成分が届きにくい場所に対しては効果が発揮されにくいことがあり、しかもそうした場所にゴキブリが逃げ込んでしまう状況を作ってしまう危険性があります。
捕獲機タイプと毒エサタイプ
捕獲タイプはゴキブリに対する誘引剤(香料)を使用し、誘い込まれたゴキブリを粘着成分で捕獲するというものです。毒エサタイプはベイト剤ともよばれるもので、それを食べたゴキブリが巣に戻って死滅することで、その死骸も他のゴキブリにとっての毒エサとなるというものです。
また最近ではゴキブリの卵にまで効果が及ぶタイプも開発されており、最も効果の高い方法として考えられています。
ゴキブリ対策で一番難しいこと
侵入を完全に防ぐことができない
ゴキブリは室内でも屋外でも繁殖するため、侵入そのものを防がない限り対策としては不十分になります。
しかし、ほんの少しの隙間があれば侵入できてしまうゴキブリを、完全に遮断することは不可能でしょう。
ドアや窓を開けずに生活することはできませんし、通風孔や換気口のない住居などにすむことはできないのです。
エサとなるものを断つことができない
エサがなければゴキブリがその住居に侵入、繁殖する頻度は低くなります。
しかし、人間が生活する以上、水を使い、食事をします。古い角質は剥がれ落ちますし、抜け毛を完全に除去することもできないでしょう。
なにより、石鹸ですら食べてしまうゴキブリに対して、エサとなるものをすべて生活環境から排除することなど、土台無理な話なのです。
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