ハチに刺されても巣を撤去します

刺すハチ

毎年夏から秋にかけて、多くの人がスズメバチなどに刺され、ときには命を落とす事故が起きています。アナフィラキシーショックなど、危険な状況が起こるということも、メディアが大きく取り上げています。

ハチによるトラブルの原因の多くは、ハチの巣の存在に人間が気が付かないケースや、むやみに撤去しようとした結果によることが多いようです。蜂の巣の撤去に関して、その方法と対策をみていきましょう。

ハチの巣駆除でハチに刺された経験

ハチに刺される危険性の認識について

メディアで大きく取り上げられるようになって、特にスズメバチに刺されたケースの危険性が認識されるようになりました。

一度ハチに刺されることで体内に抗体ができ、次に刺されたときにその抗体が過剰に反応を起こしてしまい最悪のケースでは死に至るというアナフィラキシーショックも、そうしたリスクの代表的なものです。

熊による被害件数の数倍にも上るといわれており、野山を歩く際は、まずスズメバチに対する警戒が重要になってくると言えるでしょう。

職業的にハチに刺される経験が多い人もいる

造園業や林業に従事している人は、職業的に蜂に刺される機会が多くなります。また、養蜂家などは常にハチとともに作業を行うわけですから、当然蜂に刺される機会も増えることでしょう。

そうした人はエピネフリンなどを、血管収縮薬として使えるよう携帯しているケースもあり、対策を万全にとっていることになります。

最近では一般の方でも、エピネフリンをアナフィラキシーショックの補助治療薬として携帯するケースがあるようですが、これもハチの巣駆除などでさされた経験によるものなのでしょう。

ハチの巣駆除の専門業者もまた、ハチにさされる経験が多いことから予防対策を取っている人が多くいます。

スズメバチの凶暴さをご存知ですか?

最強にして最悪のハチ

スズメバチはハチのなかでも最も身体が大きく、しかも攻撃性が非常に高い種類であるといえるでしょう。特に捕獲できる昆虫が減少してしまう秋口は、大量の雄蜂と新女王バチを養育するために、多くのスズメバチが攻撃性を最大化する時期になります。

スズメバチは強力な毒を有しており、ノコギリ状の細かい刃が密生した二枚の尖針が交互に動いて、対象を切断しながら毒針をさすことができるのです…!

刺針はミツバチの針のような「返し」がないため、一度刺したあとも引き抜くことが出来る構造になっています。毒液が尽きるまで相手を何度も刺すため、非常に危険です。なお、刺すのは雌のスズメバチだけです。

こちらにも詳しく書いてあります。
スズメバチ 東京都福祉保健局

7 月、8 月は「熱中症」と「蜂刺され」にご注意! – 厚生労働省

巣を守るため、攻撃に特化した機能性と凶暴さ

スズメバチは毒針を指すだけでなく、毒液を空中に散布することによって警報フェロモンとして使うことができます。

このフェロモンは非常に複雑な生理活性物質の混合液であり、毒のカクテルとも呼ばれています。このフェロモンはスズメバチの仲間を集め、さらに攻撃性を高める効果があるため、単なる武器以上の威力と脅威を秘めているのです。

自分たちの巣を守るためであれば、スズメバチはその狂暴性をいかんなく発揮して、恐ろしいほど積極的な攻撃行動を起こします。

巣の近くを通っただけで襲われるというトラブルが、毎年のように発生していることからもわかるように、人間がスズメバチの存在を認識するまえに、相手のテリトリーに侵入してしまったことが原因で起きる事故も多くなります。

ハチの巣駆除のポイント

完全装備での対応と専門知識を駆使する

スズメバチの巣を撤去するためには、専用の防護服を着用する必要があります。簡単なプロテクター程度では、凶暴なスズメバチの攻撃を防ぐことはできません。

また、専用の防護服であってもタイプによっては万全であるとはいえず、実際、防護服の上から刺されてしまうケースや、呼吸行口から空中散布された毒液を吸い込んでしまうケースなどもあるので注意が必要です。

スズメバチは昼間よりも夜間のほうが活動がおさまるため、日没後に風下から煙幕や殺虫剤を使用して巣の周辺と内部にいるスズメバチにダメージを与えます。

上記の攻撃で動きが弱まったところを見計らい、巣ごとその大きさに見合った大きく分厚い袋状のもので覆い、一気に取り去ってしまうというのがもっとも一般的な駆除方法ですが、一般の人がやるにはリスクが高いと言えるでしょう。

蜂の巣を駆除する詳しい方法はこちら

駆除専門の業者に依頼するのがもっとも有効な方法です

どれほど装備を整え、慎重を期したとしても、経験や知識の乏しい一般人がスズメバチの巣を撤去するのはあまりにも危険です。
地域によってはごく一般的に蜂の巣の駆除が行われているところもあるようですが、やはりそこにはその地域ごとのノウハウなどがあります。

駆除専門の業者もまた、その業者ごとの専門知識、ノウハウを持っているからこそ、危険な作業を行うことができるのでしょう。たとえ費用がかかったとしても、それで安全が買えるのであれば安いものかもしれません。